冷暖房に使用するエアコンなどの空調設備は耐用年数が決められているため、事業者の場合には減価償却をする必要があります。ただ、エアコンなどの空調設備は種類によって耐用年数が異なります。この記事では空調設備の種類を判定する方法と耐用年数の情報をまとめました。エアコンを長く使えるようにするための工夫や、買い替えを決断した方が良いサインについても紹介するので参考にしてください。
器具備品か建物附属設備かの判定
空調設備は器具及び備品、建物附属設備のどちらの分類になるかによって耐用年数が異なります。オフィスや工場などで使用しているエアコンが空調設備の代表例ですが、どのような構造のエアコンかによって以下のように判定することが可能です。
器具備品と建物附属設備の判定方法
空調設備が家具、電気機器、ガス機器、家庭用品のいずれかに該当する場合には器具及び備品になります。家庭用エアコンは基本的に器具備品に該当します。壁掛け型のエアコンも天吊り型のエアコンも、床置き式の空調設備もすべて器具備品です。
業務用エアコンの場合には構造による違いがありますが、シンプルな天井埋め込み式のエアコンの場合には器具備品に該当する場合がほとんどです。業務用エアコンの中でダクトを使用しているタイプの空調設備については建物附属設備になります。ビルトインタイプのエアコンにはダクトを使用していることが通常ですが、構造を確認してダクトを使用しているかどうかを確認しましょう。
空調設備が器具備品の場合の法定耐用年数
空調設備が器具備品に該当する場合には法定耐用年数は6年です。購入金額によらずに一律で決まります。
空調設備が建物附属設備の場合の法定耐用年数
空調設備が建物附属設備に該当する場合には法定耐用年数は13年または15年です。冷凍機の出力によって法定耐用年数が異なり、22kW以下の場合には13年ですが、22kWを超える場合には15年になります。
法定耐用年数と寿命
空調設備の法定耐用年数はあくまで減価償却をするために用いる数値であって、必ずしもエアコンなどの空調設備の寿命とは一致しません。およその寿命として法定耐用年数が決められているのは確かですが、機器の機能の向上によって寿命は法定耐用年数よりも長くなっている傾向があります。使い方によって寿命が延びることも多いので、一概に法定耐用年数になった時点で故障して買い替えが必要になるとは言えません。
エアコンの耐用年数を伸ばす工夫
エアコンは工夫をするだけで耐用年数、つまり寿命を延ばすことができます。ここではエアコンを長持ちさせるのに有効な方法を紹介するので、できることから取り組んでいきましょう。
使用する時期は定期的に手入れをする
エアコンの手入れをして負担を小さくすると耐用年数は伸びます。エアコンを使用している夏や冬の時期には手入れを怠らないようにしましょう。フィルターの汚れはエアコンの負担を大きくすることに直結するので、二週間くらいを目安に掃除機などでほこりを取るのが良い方法です。また、本体の目立つ汚れも取り除いて空気の流れを良くするのが大切です。
使用しない時期にも月に一度は稼働させる
春や秋などのエアコンをほとんど使わないシーズンには電源を入れないことが多いでしょう。しかし、稼働させないままにしていると内部に汚れが溜まります。月に一度は送風で稼働させてほこりなどを取り除きましょう。そして、頻繁に使うシーズンの前にはフィルターなどを掃除してから使い始めるとエアコンの負担が小さくて済みます。
一日中付けっ放しにはしない
エアコンを一日中付けっ放しにすると負荷が大きく、耐用年数は短くなります。一日の使用時間は冷房で9時間、暖房で7時間が標準運転時間になっています。これよりも長い時間稼働させているとエアコンが劣化しやすくなるので注意が必要です。事業所では24時間稼働させていることもありますが、必要のないときには電源を切って休ませるようにしましょう。
室外機を年に一度は清掃する
エアコン本体だけでなく室外機も清掃するのが大切です。室外機が汚れていると負荷が大きくなり、室外機の耐用年数が短くなってしまいます。室外機の清掃は年に一度くらいで十分な場合がほとんどです。エアコンを使用しない時期に清掃をしてきれいにしましょう。
夏場は室外機に日よけをして冬場は温める
夏場の冷房で室外機の負荷を減らすには、室外機が熱くならないようにするのが大切です。室外機の温度が高くなると劣化が進んで耐用年数が短くなります。日よけをして熱がこもらないようにする工夫をすると良いでしょう。逆に冬場の暖房は囲いを作って熱がこもるようにし、室外機が冷え切ってしまわないようにすると長持ちするようになります。
内部クリーンを稼働させる
エアコンによっては内部クリーンの機能があります。取扱説明書を読んでメーカーの推奨する頻度で内部クリーンを稼働させると寿命が長くなります。内部クリーンのときには熱風が出ることが多いので、夏場は誰もいないときに使用するのが良いでしょう。
定期的に点検を依頼する
エアコンを自分で手入れをするだけでなく、定期的に専門業者にメンテナンスをしてもらうのも効果的な方法です。不具合が起こりそうな部品の交換や整備をしてもらうだけでエアコンの不具合が起こりにくくなります。劣化している部品を早めに交換するだけでエアコンの負荷が小さくなるので、年に一度くらいを目安に点検を依頼しましょう。
エアコン買い替えのサイン
エアコンは耐用年数になるかどうかにかかわらず、買い替えた方が良い時期がやってきます。買い替え時期を見極めるためのサインを紹介するので、気になったときには買い替えを検討しましょう。
電源を入れても付かない
エアコンの電源を入れても付かなかったら買い替え時です。電源が入らなかったら買い替えのサインがあったのに見逃した可能性が高いでしょう。冷暖房が必要な時期に故障してしまうと一大事なので、以下のサインに気付くように気を払うのが大切です。
エアコンから異臭や異音がする
エアコンから異臭や異音がしているのは買い替えのサインです。異臭がするのはエアコンの内部にカビが生えているからです。業者にクリーニングを依頼すれば改善しますが、カビが生えやすい状況は続く可能性が高いので買い替えた方が良いでしょう。
異音がするのは部品の劣化が起きている可能性が高いため、修理か買い替えが必要です。異音がする状態でエアコンを動かし続けていると他の部品にも不具合が出やすいので、すぐに対応しましょう。
エアコンが効かないと感じる
冷房でも暖房でもエアコンが効かないと感じたら買い替えのタイミングです。エアコン本体や室外機の機能が低下してきてしまっている可能性が高いからです。汚れが原因で効きが悪くなることもありますが、センサーが不調で温調ができていない場合もあります。修理しても別の部分が不具合を起こしやすいくらいに劣化してきていると考えられるので、買い替えるのが安全策です。
エアコン本体または室外機から水漏れが起きた
水漏れが起きたら劣化がかなり進んでいます。エアコン本体からの水漏れの場合にはドレンホースのつまりが原因のこともあるので、ドレンホースの清掃だけで解決できる場合もあります。しかし、配管が劣化して水漏れをしている場合には買い替えが必要です。
室外機からの水漏れの場合には配管の劣化やガス不足が原因のことがほとんどです。修理してもまた不具合が生じやすい状況だと考えて買い替えた方が良いでしょう。


